「懸命」と「賢明」
どちらも日常的によく目にする言葉ですね。
「懸命に働く」「賢明な判断」
ところが、
この2つの使い分けに迷う人が多いようです。
そこで、今回は
「懸命」と「賢明」の違いについて詳しく解説しました。
さっそく、確認していきましょう。
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目次
- 1 懸命の意味
- 2 賢明の意味
- 3 懸命と賢明の違い
- 4 類義語・対義語
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- 6 まとめ
懸命の意味
まず、「懸命」の方の意味を調べると、
次のように書かれています。
【懸命(けんめい)】
⇒力のかぎり努めるさま。全力をつくすさま。精一杯。
出典:デジタル大辞泉(小学館)
「懸命」とは、
「力の限り努めるさま・全力をつくすさま」などを表す言葉です。
例えば、以下のように使います。
- 懸命に生きる。
- 懸命に努力する。
- 懸命に取り組む。
いずれも、対象に対して
「全力をつくす様子」を表していることが分かるかと思います。
このように、
「何かの物事を精一杯頑張る様子のこと」を
「懸命」というわけです。
そもそも、「懸命」の「懸」という字は、
「懸想」「懸念」などがあるように
「心にかける」という意味があります。
最も分かりやすいのが、「一生懸命」という言葉ですね。
したがって、
心の底から全力で努力するような時に
この言葉を使うのです。
賢明の意味
続いて、
「賢明」の意味です。
【賢明(けんめい)】
⇒かしこくて、物事の判断が適切であること。また、そのさま。
出典:デジタル大辞泉(小学館)
「賢明」とは、
「かしこくて、物事の判断が適切である様子」のことを言います。
こちらも主な使い方を紹介しておきます。
- 賢明な判断。
- 賢明なる投資家。
- 賢明だと思う。
いずれも何かを行う時に、
「賢くて適切である様子」を表していますね。
このように、
物事のやり方や判断などがしっかりとしていることを
「賢明」と言うわけです。
「賢明」のポイントしては、「賢」という字です。
「賢」は「賢者」「賢人」などの熟語があるように、
「人のかしこさ」を表す漢字です。
言い換えれば、
「頭の良さ」という意味が込められたのが
「賢明」という言葉なのです。
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懸命と賢明の違い
では、ここまでの内容を整理しておきましょう。
「懸命」は「力の限り努めるさま・全力をつくすさま。」
「賢明」は「かしこくて、物事の判断が適切である様子。」
ということでした。
両者の違いを簡潔に言うと、
「懸命」は「全力さ」を表す言葉、「賢明」は「賢さ」や「正確さ」を表す言葉。
だと言えるでしょう。
まず、「懸命」は
「力を尽くして頑張る様子」ということでした。
したがって、こちらは
「その人がどれだけ頑張ったか?」という
必死さの度合いを表すような時に使うのです。
一方で、「賢明」の方は
「賢くて判断が適切な様子」という意味でした。
よって、こちらは
「その人の判断がどれだけ正しかったか?」という
正確さの度合いを表す時に使うのです。
これらの違いを踏まえた上で、
よく間違えやすい次の2つの表現を比較したいと思います。
「①懸命に働く」「②賢明に働く」
この場合、①の方は「精一杯働く」という意味です。
具体的に言うと、
「手を抜かない」「サボらない」
のようにしっかりと働くイメージですね。
一方で、②の方は
「賢く、かつ判断よく働く」という意味です。
つまり、ただ単に何も考えずに働くのではなく、
「ちゃんと自分の頭の考えて、仕事の状況や背景をくみ取って働く」ということです。
この時に重視されるのは、
「いかに仕事でしっかりした成果を残すか?」という一点のみです。
以上の事から考えると、
「懸命」は体力や気合など人の総合的なエネルギーに着目した言葉、
一方で、「賢明」は「頭脳」など人の知性に着目した言葉であることが分かるでしょう。
類義語・対義語
では、両者の違いをさらに分かりやすくするために、
「類義語」と「対義語」を紹介しておきます。
【懸命の類義語】
⇒「全力・命がけ・熱心・本気・真剣・ひた向き・必死・死に物狂い・精進」
「懸命」の「類語」は、
「目標達成に向けて、可能な限り力を注ぐ様子」といった意味になります。
【懸命の対義語】
⇒「怠慢・手抜き・油断・怠惰・投げやり・ないがしろ」
逆に、「対義語」の方は
「目標達成の途中で力を抜いたり、全力を尽くさない様子」といった意味になります。
【賢明の類義語】
⇒「聡明・知的・明哲・妥当・正当・順当・合理的・理性的」
「賢明」の「類語」は、
「物事の筋道をしっかりと考えて、答えや結論を導くさま」を表します。
【賢明の対義語】
⇒「適当・いい加減・曖昧・愚昧・暗愚・非合理的」
一方で、「対義語」の方は、
「筋道を考えたりはせずに、ただ適当に物事を行う様子」を表します。
以上、それぞれの言葉を参考にして、
適切な場面で両者を言い換えるようにしてください。
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使い方・例文
最後に、両者の使い方を具体的な例文で確認しておきましょう。
【懸命の使い方】
- 仕事で成果を出すには、まず懸命に働くことが何よりだ。
- 懸命に努力することにより、やっと今の地位を確立した。
- あなたの懸命に取り組む姿勢を、周りは評価していますよ。
- 親は子供たちに、自らが懸命に生きる姿勢を見せることが重要だ。
- 懸命に頑張る犬の姿に、多くの人が心を打たれた。
【賢明の使い方】
- 警察官の賢明な判断により、犯人は逮捕された。
- 彼女が下した判断は批判もあったけど、賢明だと思うよ。
- 主治医の賢明な処置により、患者は一命をとりとめた。
- 早く結果を報告した方が、賢明だと思うよ。
- 救助隊の賢明な判断のおかげで、多くの人の命が助かった。
「賢明」の方は、
日常生活からビジネスまで幅広く使うことができますね。
肉体的にも精神的にも頑張る様子を表しますので、
人だけでなく犬などの動物などにも使えるのが特徴です。
一方で、「賢明」の方はこちらは日常生活というよりも、
ビジネスでの実際の現場で使われることが多いです。
実際の現場で、
しっかりとした正確な判断を下したような時に
「賢明」を使います。
まとめ
以上、今回は「懸命」と「賢明」について解説しました。
内容をまとめると、
「懸命」=力の限り努めるさま・全力をつくすさま。
「賢明」=かしこくて、物事の判断が適切である様子。
【使い分け】⇒「懸命」は「全力さ」を表す時に使い、
「賢明」は「賢さ」や「正確さ」を表す時に使う。
ということでした。
この記事をきっかけに
両者をうまく使い分けできるようになれば幸いです。
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国語力アップ.com管理人
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